Twitter

秘密保護法と表現の自由を考える集い(2013.12.25)

越谷シスターズの『ぐりこちゃん』が集会のまとめを書いてくれました。

見事なまとめなので、参加できなかった方にも読んでいただきたいと思い、

ご本人のお許しを得て、掲載します。

ぐりこちゃんありがとうございます。

 
秘密保護法と表現の自由を考える集い(2013.12.25 19:00~21:00 )
辻浩司市議のツイッター上での発言が問題視され、辻議員に反省を求める処分が可決された事件
この事件に抗議し、言論の自由を考える集会が 越谷中央市民会館で行われ、160名が参加しました。
事件の重要性をひしひしと感じると同時に、市民の関心の高さと意気の高さを感じました。
辻さん、スピーチに心打たれました!志に共感します!
...
内容は以下の通りです。
【1】開会の言葉
【2】「越谷ツイッター事件」(と命名されました)の経緯の紹介
【3】伊藤朝日太朗弁護士の講演「特定秘密保護法の危険性と廃止に向けた展望」
【4】辻議員による報告「事件の背景・意味」
【5】質疑応答
【6】閉会の言葉 今後の方針

【1】開会の言葉 玉生議員
反対意見を言っただけで処分されることは戦後に実例がない。戦前の治安維持法下で行われたことと同じである。

【2】越谷ツイッター事件」の経緯の紹介

11.25 越谷市議会定例議会告示日 通常はこの日までに意見書を提示
11.26 衆議院にて特定秘密保護法が強行採決される。
12.2 定例議会初日「特定秘密保護法案の強行採決に講義し、慎重な国会審議を求める意見書案」をる民主党・市民ネットワークが提案
議会運営委員会にて「緊急性はない*」と自民党市民クラブ、公明党市議団が反対したため、意見書は本会議に提出されなかった

12.3 辻議員ツイッターで発言。「自民・公明の不当な反対で、意見書の提案そのものを阻止されました」

12.4 議院運営委員会 公明党議員が「不当」「阻止」という言葉を問題視。辻議員は発言の正当性を主張。代表者会議に送られる
12.6 代表者会議 各会派の意見は平行線

12.11 「辻浩司議員に反省を求める決議案」を自民党市民クラブ、公明党市議団が提出。15対14で議案が可決される
賛成会派 自民(5)・公明(6)・清流越谷(民主党議員)(4)
反対会派 新政(6)・保守(自民党議員)(3)・共産(2)・民主ネット(3)

賛成討論 自民(1)・公明(1)
反対討論 新政(3)・保守(1)・共産(1)・民主ネット(3)

「緊急性はない*」という理由(自民党市民クラブと公明党市議団による)
①先議(議会の始めに議決を行うこと)が必要だから 
民主ネットの見解 
・議案提出後の話なので、緊急性とは無関係

②地方議会が国に関与するのはなじまない
民主ネットの見解 
・地方自治法99条にて国会に意見書を提出することが認められている
・緊急性とは無関係

③国会で審議中だから緊急性がない
民主ネットの見解
・国会での審議方法を問題にしているのに「国会で審議中だから緊急性がない」というのは理由になっていない
・「国会で審議中だから国会に任せよ」というのは緊急性とは無関係
・「国会で審議中だから緊急性がない」という理屈が通ってしまったら、地方自治法99条の主旨から外れる

【3】 講演「特定秘密保護法の危険性と廃止に向けた展望」
 伊藤朝日太朗(明日の自由を守る若手弁護士の会**)
**自民党の改憲案によって民主主義が破壊されることに講義する会

1)秘密保護法の問題点

(1)作成過程での問題点
1.秘密裏に作成された 
・有識者会議の議事録なし 
・パブコメ募集の際も条文は示されず概要のみ
2.衆議院・参議院での強行採決 
国会審議の際に、野党の反対討論なしに採決されたことは言論の府の自殺行為
3.逐次解説の隠蔽 
・パブコメ募集の際にも、国会審議でも示されなかった(12.5にやっと提示された)

民主主義の前提となる情報の提供と充分な審議を欠いている

(2)内容の問題点
1.秘密指定できる情報の範囲は広すぎ、限定が不充分
 日本の官僚の隠蔽体質のもとで、濫用される可能性がある
 法律は性悪説に基づいている:「良識」がなくても悪用されないように作られている
 秘密保護法は「良識を以て運用すればよい」と答弁されている→良識がないと悪用される可能性がある
2.身辺調査に対して異議申し立てをする権利がない
3.厳重な処罰
 内部告発者が保護されない →公務員や労働者に対する萎縮効果
 国会議員や裁判官が秘密指定をチェックできない→議員の国政調査権が機能不全になる
 憲法の下では国会が国権の最高機関であるのに、役所が国権の最高権力を持つようになる
 
2)そもそも特定秘密保護法を作る必要があるのか→必要はない
1.すでに処罰規定がある
2.自衛隊法で退所できる
3.米国は秘密保護法のいかんにかかわらず、出したい情報しか出さない

3)特定秘密法案をどうするか
1.廃止する 廃止案 ・民主党・海渡弁護士・日弁連 など
2.抜本的な修正ができるまで施行の延期
3.徹底した情報公開請求
4.がんばるメディアに応援メッセージ
5.公文書下院理法や情報公開法の改正
6.地方議会で意見書を上げる

4)越谷ツイッター事件で見えるもの
1.議会よりも国の判断が優先される構図がすでにできている
民主主義は、本来、地方議会の様々な意見を取り入れた豊かな議論の上に成り立つ。
2.表現の自由の浅薄な理解
「マナーが表現の自由よりも上にある」「知る権利よりも国家機密が重要」という理解
表現の自由は民主主義の根本、最大限に保証されるべき。
議論の途上では、情報の不確実性や誤解に基づく議論もあるのが普通。そういう議論も許容した議論が必要。
3.懲罰(手続きの決まったもの)ではなく、「反省」を求めるおかしな慣行
自分の意に反する議員を勝手な理由で処罰することが慣行となりうる。

【4】辻議員による報告「事件の背景・意味」      

今回の事件は、「言論の自由」についての問題であるのに、議会は「個人の行きすぎた表現」の問題、に矮小化しようとしている。
秘密保護法に関しては、公明党は支持者からの突き上げにさらされ、自民党公明党ともに、支持者対策に苦慮していた。
そんなときに、市議会での対応をツイッターで暴露されたことが、自民党公明党の逆鱗に触れたのだろう。
これまで議会では、ネット上での言葉を問題にされたこともあるが、処分がなされたことはない。

処分決議の後、駅でチラシ配りをしていると、「反省決議」賛成議員に写真を撮られた。追加制裁の証拠集めをしているのかもしれない。

賛成議員も、一人一人の個人はいい人で、自分の行為が言論弾圧であるとは意識していない。特段自分の意見があるわけではなく、党の方針に従い、何となく賛成したのだろう。

多くの普通の人、いい人が、とんでもないことに加担している。
しかしこのこの事件は秘密保護法につながる事件である。
この小さな闘いに勝つことが必要である。

自分は、他の歴戦の闘士に比べれば、凡人である。
しかし自分のような凡人が声を上げることが重要である。
凡人が勝つためには凡人どうしがつながることが必要である。

ここに集まった人々、そして同じ思いの人々、連帯しましょう。(←これは私が心で聞いた言葉です。)

【6】閉会の言葉 今後の方針 玉生議員

この事件に関する市議の動きには、3通りある。「終わった」「制裁を強める」「決議を撤回」

越谷市は与野党が拮抗しているので、まだしも、与党の横暴を撤回できる望はある。
今この決議をそのままにしてしまうと、野党が弱い他の議会にとって、悪しき前例となってしまう。

議員にとって「処分」は重い十字架となる。

どうにかして、この決議を撤回したい。
市民から処分撤回を求める請願を出すという方法もある。

辻浩司議員に反省を求める決議
http://www.city.koshigaya.saitama.jp/gikai/singi/gian/giin/giingian251204.html
写真
写真